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コミュ力爆上げ!
超実践者のDiSC®使いこなし術
【DiSC®事例】「コミュ力爆上げ!超実践者のDiSC®使いこなし術」/弥生株式会社 様
弥生株式会社
金融機関連携管理事務局 局長 管理本部 シニアマネジャー
金子 浩 氏
会計や販売管理などの業務ソフト「弥生シリーズ」で知られるビジネスソフトウェア企業の最大手・弥生株式会社様。HRDとは15年ほど前からのお付き合いでDiSC®を導入いただいています。今回は、金融機関連携管理事務局 局長 管理本部 シニアマネジャーとして有効にDiSC®をご活用いただいている金子浩様に、その極意を伺いました。
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金子 浩 氏
弥生株式会社
金融機関連携管理事務局 局長
管理本部 シニアマネジャー
--弥生株式会社に13年間お勤めになり、チームのメンバーをまとめつつ、金融機関など取引相手との窓口や委託先企業の管理などもされている金子浩さん。御社の中でもDiSC®をかなり活用されていると伺っています。
金子:弥生株式会社では、社員間のコミュニケーションやマネジメントの質を向上させることを目的に、私が入社する前からDiSC®が導入されていまして、私も、当社に転職してきて1〜2年の間に初めて受けました。第一印象だけですと、ちょっとした性格診断のようなものかと感じていたのですが、実際に受けてみたところ、自分のスタイルについて聞かれる結構な設問量があり、「レポートの精度が高そうだな」と感じました。回答を終えてレポートを入手すると、使い方のイメージが湧いてきたんです。
--DiSC®以前にはどんなことに困っていましたか?
金子:プロジェクトマネジメントや物事を大きく転換する業務などに携わることが多くあり、その場合多くの人が関係し、動いていただくことになります。
そうした際にコミュニケーションスキルやマネジメントツールは必要だなと感じていました。個人としても、自分が作業をすることは苦ではないのですが、誰かに作業をお願いすることに対してちょっと苦手意識がありました。
そうした苦手箇所を補強するためにプロジェクトマネジメント系の勉強や、コーチングとティーチングといったコミュニケーション領域の研修プログラムなどを受けてきました。
DiSC®を理解していると、相手のスタイルに合わせた仕事の依頼ができて、相手の理解も早くて作業精度が上げやすくなっていくことを実感できることが多く、良いものに出会ったと思いました。
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相手の傾向を予測して、最適なアプローチを提案する
--社内でも共通言語化しているとのことですが、金子さんが実際にDiSC®を受け、ご自身のスタイルを理解された上で、どのように活用されているのでしょうか? 例えばチームのメンバーへの指示の仕方が変わりましたか?
金子:まず、私自身の通常のスタイルは、相手の気持ちを大事にする“S”がベースなので、例えば何の意識もせずに資料を作ると、無意識に相手に指示することを避けるような傾向が出て、指示の部分の表現が弱かったりします。そこで自分の傾向を踏まえて、資料を作る際には最初にあえて指示にあたる内容から書いて、そこに補足をいれてみようといった工夫ができるようになります。自分の考えや行っていただきたいことが相手にどういう風に伝わるのか、伝わる内容になっているかを自身で補強できるため、指示の精度があがるということですね。
また、私のチームのメンバーには、彼らのスタイルを教えてもらっていまして、「この人はベースがCCだから、ちゃんとステップを丁寧に書いてあげよう」、「D要素がある方には目的・ゴールをはじめに明確に伝えよう」というように、相手スタイルに合わせてコミュニケーションを取るようにしています。
さまざまなスタイルの人がいるチームやプロジェクト活動で、業務への理解に差が出てしまうような状況でも、DiSC®の活用で理解度の差を補完することができていると感じます。
--社外の方とのやり取りでは、どのように活用されていますか?
金子:例えば電話やメールの内容から、「こういう文章を書く方は、Cスタイルの傾向だな、いや、Dスタイルっぽいな」と相手の方のスタイルを予測し、「こういうものをアウトプットすれば、話が噛み合いやすいのではないか」と、予測したスタイルが理解しやすい内容に成果物を整えたり会話をしたりするなどの活用をしています。それが“ハマった”時には、会話やメールなどのやり取りがスムーズに進みますね。
また、DiSC®をコミュニケーションに活用していくと、だんだん“相手スタイルの予測精度”が上がっていくんです。より熟練すると、こちらからのアプローチに応用できるようになります。例えば、Cスタイルだと予測される方宛のメールに、あえて感情論をちょっと入れてみて反応が鈍化するのを見てみたり。Dスタイルと思しき方には、結論を伝えないでどう思っているか感想だけを送ってみたり、反対にロジックだけ送ってみたりして仮説検証をします。その反応を見てお相手のスタイルを予測して、アプローチを変えていくといった使い方も試みています。(それらアプローチで見極め、後に相手にフィットする方法でコミュニケーションが取れるようになるためです)
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練度を高めているとのこと
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--特に印象深いエピソードを一つ、伺えますか。
金子:DiSC®の活用についてはチームのメンバーにもアドバイスをしており、「相手のスタイルが何かを、ぼやっとでもイメージした上でメールや資料作りをやってみたら」というアドバイスを実践してくれて、「うまくいった」という報告をもらった時は、素直に感動しました(メンバー自身が有効性に気付いてくれたこと、そもそもうまく進めてくれたことへの感謝から)。
--逆に、あえてDiSC®を活用することにデメリットを伺うとすれば、どんなことがありますか?
金子:中には、DiSC®を浅く理解している方が印象だけで先走って相手のスタイルを型にはめてコミュニケーションをとってしまうケースはあると思います。結果的にコミュニケーションで齟齬を生んでしまっている状況は見受けられますね。そういった利用方法の部分については、当社内でも研修などを通して、使い方を深めていく必要があると感じています。
チーム内のコミュニケーションコストを圧倒的に下げる
--プロジェクトのチームや社内のスタッフの成長を促すために、今後どのようにDiSC®を活用したいですか?
金子:まずはチームや対外的に最低限、齟齬がないコミュニケーションがとれるようになること(相手を考えてやり取りするということ)。そして、可能ならばさらに活性化できるようにすることですね。そのために、自分自身の思考や行動の傾向に対して理解を深めていってもらえるようにしたいです。まずは自分のスタイルを理解して、足りない部分を他のスタイルの要素で補っていく、という基本を徹底していくことです。そういうやり方が定着すれば、次はまた、応用を利かせていくことにつながっていくかと思います。
私のチームにおいてはメンバーの皆さんに、コミュニケーションを取るときには「DiSC®」のスタイルを意識しようと伝えています。少なくとも私は DiSC®を意識してコミュニケーションしていることをメンバーには伝えてあります。チームのメンバーがどう使うかまでは強制していませんが、まずはそれを知っておいてくださいと。逆説的にいえばメンバーにとっては、私がいつもと違ったコミュニケーションの取り方をしてきたら、何かのサイン、ということになりますね。そこを感じられるよう、頭の片隅でもいいので意識しておく、ということです。要は経験値ですから、そうした機会に多く触れていると自ずと意識が高まって、行動変容につながっていくのではないかと思います。
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--とても有効にご活用されていて、その先のイメージまで伺えました。
そのうえで、DiSC®の導入を検討している方々に共有したい、成功事例や学びがあれば教えてください。
金子:そうですね。特にチームのリーダー・管理職の方には、自分とメンバーのDiSC®スタイルを把握して、共有すると良いと思います(相互理解の手助けになるため)。また、DiSC®はひとつのツールです。それに頼り切らずに、DiSC®で予測できるスタイルはあれど、それはそれでひとつの情報として整理して利用する――そうすると成功しやすいのではないでしょうか。
どうしてもスタイル・傾向に合わないイレギュラーなケースは出るはずなので、こだわりすぎてしまうと、活用が難しくなってしまいます。それらを理解したうえで、月に1回でもいいのでチーム内でDiSC®を意識したコミュニケーションの機会を作っていく。トライアンドエラーで数をこなしていけば、定着していくと思います。
2025年02月07日
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