【DiSC®事例】真のソリューションとDiSC®
AMT GROUP取締役 渡辺泰恵氏
AMT GROUP取締役 渡辺泰恵氏
ソリューションのための3つのポイント
AMTは主に外資系企業の人材研修を業務とする企業で、渡辺氏は外国人の起業サポートなどの仕事を経て、現在、人材研修のコンサルティングを行っています。今回の事例報告では、多国籍企業におけるダイバーシティ(多様性)をテーマにしていただきました。発表は、図版や映像を効果的に使いながら、参加者を惹き付ける、印象的なプレゼンテーションでした。「ソリューションには、自己認識を深めることが不可欠であり、私はそのためにDiSCを研修に導入しています。自己認識を深めるためには3つの角度から検討することが必要です。
①は盲点に気付くこと。DiSCでいえば自分の強い傾向の特徴的なものの見方だけでものを見ていないか。②は全体と部分を意識し、部分だけでは全体が見えてこないことがあることを知っておくことが大切です」。③は静と動。渡辺氏は1枚の写真を参加者に示し、動きのないスチール写真ではさまざまな解釈が生まれるが、ストーリー性を持った動画であれば、解釈の統一性がとれると訴求されました。
「動」と「静」の違いを明らかにし、組織の中でも動的な要素の重要性を説明しました。渡辺氏の研修は、こうしたソリューションを支援することであり、問題解決の主体は組織内部に存在しているといいます。
DiSC導入で社内コミュニケーションが大幅に改善
渡辺氏の研修事例の一つ目は、外資系企業で100人のチームの中に20もの国籍がある、まさにダイバーシティの代表的な企業でした。
この企業は多国籍企業であることによるチームの分裂が問題となっていました。この企業のチームビルディングに携わった渡辺氏は、DiSCを導入し、チーム内のコミュニケーションの向上を図りました。
「DiSCを導入したことによって、人は違っていて当たり前という共通認識が生まれ、お互いに話し合う機会が増え、劇的にコミュニケーションが改善されたのです。サービス産業業界の企業としてサービスが向上すると共に、人材が辞めなくなり、リテンション効果が表れました」
こうしたチームコミュニケーションの改善ができたのは、人材プロフィールとしてDiSC教材の品質が高かったことと、オーストラリア人のチームマネージャーがフォローアップに努めるなど、熱心に取り組んだことだと、渡辺氏は指摘しています。
2つ目の事例は、転職していくマネジャーに、会社からの最後のプレゼントとして、1対1のセッションが贈られたケース。渡辺さんがその担当となり、DiSCを使ったコーチングをそのマネジャーに導入しました。「そのマネジャーは“D”の傾向が高く、チームのほかのメンバーは“S”傾向が強かったのです。初めてDiSCについて知識を得た彼は、『1年前にDiSCを知っていれば、チームのメンバーともっとコミュニケーションがとれたのに』と残念がっていたのが印象的でした」と、DiSCとレポートをしめくくりました。
①DiSC導入前、メンバーがチームの状況を描いた絵。メンバーが1階と2階に分かれているなど、チーム内がばらばらな状態。
②DiSC導入1年後、チームのメンバーが集まって1羽の水鳥をつくっている。まだすべてのパーツが完成していないが、状況は明らかに改善されている。
2009年10月28日