【DiSC®事例】流通業界へのコーチングとDiSC®組み合わせ提案
ARKコンサルティング・オフィス
石川和夫 氏
ARKコンサルティング・オフィス
石川和夫 氏
初級編で職場の問題点を把握
石川氏は、流通業界の店長やスーパーバイザーなどを対象としたコミュニケーション技術習得研修の専門家である。ご自身も会社経営に携わった経験があり、社員の教育に行き詰まりを感じたときに「コーチング」に出会ったのだという。
「コーチングを学んだことで、経営者の仕事は、社員に仕事をやらせるのではなく、いかに自発的に仕事をするように仕向けるかだと気づきました」と、レポートの最初に話しだされた。
石川氏の事例研究は、地域展開の食品スーパーマーケットチェーンの管理職、店長、副店長、部門長を対象に、 2008年から4年間実施した研修の紹介である。この研修では、コーチングとDiSC®、これにMAP(Management Action Planner)をからませて、密度の高い研修を実施されている。
初年度と二年度の研修では、研修会社経由で本部マネージャー、店長、副店長、部門チーフを対象にコーチングの基礎的なスキルとコーチング・サイクルについて研修を行った。
「この研修を通じて、職場のコミュニケーションやマネジメントの問題が見えてきました。これ以上の研修はコンサルティングの領域に入るので、了解をもらって直接受託という形で三年度の研修に入りました」
最適なモジュールを使った研修で成果をあげる
三年度目の中級編の研修テーマは「コーチングの効果性を高めるDiSC®研修」で、コーチングにDiSC®を取り入れた内容となった。
「研修参加者からは、コーチングを使う場合、自分と違う行動特性の部下教育がうまくいかないという訴えがあり、行動特性の違いを理解し、その障害を取り除く目的でDiSC® を導入した研修をすることになりました。ただこのときは私がまだ Everything DiSC®ファシリテーションキット を使っていなかったために、ロールプレイングで苦労しました」
そして四年度目の上級編の研修は「Management Action Planner(MAP)の活用によるマネジメント力アップ」がテーマとなった。
「この段階での研修では、相手の成長に合わせたアプローチをするためにファシリテーションキット とMAPを導入することにし、HRD社にプログラムやモジュールの使い方を相談、最適な導入方法を検討しました」
石川氏は、部下を説得するには相手の話をよく聞いて、部下の目標やニーズを探り、それを実現するにあたってどんな不安をもっているかを理解することが大切と訴えた。そのためにはファシリテーションキットの最適なモジュールを使うことが成果をあげる研修につながると指摘した。そして、石川氏から、事例研究会の参加者に「研修の継続受注に欠かせない」ものとして「課題の把握」と「事後フォロー」の大切さをアドバイスして頂いた。
最後に、これから流通業界において、コーチング、 DiSC®の活用が注目されていくだろうと、レポートをしめくくられた。
2011年12月22日