【DiSC®事例】MR同行指導へのDiSC®活用
ヤンセンファーマ株式会社トレーニングエクセレンス部 部長
齋藤 茂氏
ヤンセンファーマ株式会社トレーニングエクセレンス部 部長
齋藤 茂氏
共通言語としてDiSC®を活用
ヤンセンファーマ㈱は、世界最大級のトータルヘルスケア・カンパニーであるジョンソン・エンド・ジョンソングループの製薬会社である。トレーニングエクセレンス部は、営業部門の新人研修から支店長研修までを担当する研修部門で、講師の齋藤氏は同部の部長を務める。
「DiSC®を導入したのは2002年から。今ではDiSC®も共通言語として定着し、社員のDiSC®による自己理解も浸透しています。それまではペーパーを使っていましたが、今回は全社にオンライン版を導入しました。課題としては、社内の共通言語になっているものの、上司が部下を指導する際、DiSC®を活用した指導が行われていないことでした」
今回の事例研究では、こうした点を踏まえて実施した「営業所長がMR同行指導するにあたって、DiSC®を有効に活用するための研修」をレポートしていただいた。
部下の行動特性を考察したアクションプランを作成
営業所長を対象にした研修は3日間にわたって行われた。1日目は午前中のコーチング研修に始まり、午後はEPICを使ったPPSSで自己理解を徹底した。
「人間は不安や恐れがあるとうまく行動に移せないものです。そこで営業所長には、どんな不安があるのか、不安を解消するにはどんな対応が必要なのかを理解しようと提案しました。参加者にファシリテーションキットによるDiSC®の4つの行動特性を見てもらい、不安から抜け出し一歩踏み出していくための動機づけを参加者にディスカッションしてもらいました」
さらに、翌日に部下と同行するにあたっての、アクションプランを営業所長に作成してもらった。上司から見た自分の部下のDiSC®と、部下本人の実際のDiSC®測定の結果が異なるケースでは、後者の結果に基づいたアクションをとると部下本人の受け止め方が変わると、齋藤氏は語っている。
「部下本人の結果をベースにアクションプランを立ててください。そしてそれを信じて実行してくださいと何度も促しています」
部下と自分をスキルアップさせるために
2日目は営業所長がMRに同行するのは勿論のことオブザーバーも同行して得意先のドクターなどに、どのようにMRが関わったかを確認。3日目は1日目に立てた営業所長のアクションプランが、計画通りに行ったのかを振り返った、と齋藤氏は述べている。
「振り返りは、グループに分けて、MRのスキルをあげるためにできたこと、できなかったことは何か、部下を見ているようで実は見落としていたことなどの気づきなどをシェアしてもらいました。そして、できなかったことに関してフォーカスし、MRも営業所長自身も成長するために何が必要なのかディスカッションしてもらったのです」
この営業所長研修の結果についてアンケートを取ったところ、参加満足度は96%、DiSC®研修に関しては98%にも達したという。今後は、さらにDiSC®の行動特性に関する理解度を深めることと実際に行動することが重要と感じている、と齋藤氏はその展望を語ってくれた。
2013年02月21日