サクセッションプランニングにおけるProfileXT®の可能性

労務リスクの軽減、納得性の高い人材配置を可能に

藤塚氏は、多くの企業の採用・評価・登用など人事全般に携わるとともに、トレーニングなど人材開発にも精通しておられる。2008年に独立して藤塚事務所を開設、そのスキルを活かして、人事・人材開発コンサルタントとしての実績も豊富である。
今回は、M&Aによって成長し、事業部が独立しているため、人の異動が難しい企業の「サクセッションプランニング（後継者育成）」に、ProfileXT®を活用した事例をレポートしていただいた。
「サクセッションプランニングは、企業・組織と社員・個人の二つの側面から捉えられます。組織の観点からは、事業のスピードが加速している現在、企業の事業戦略に対応した組織構成、人事施策が必要で、とくにM&Aを繰り返した企業では、過剰人員が出がちです。そのため、人事が労務リスクの軽減、合理的で納得性の高い人材配置を経営トップに提案する上で、ProfileXT®は力を発揮するアセスメントです」と、高く評価されている。
さらに、個人の観点からは、その人材の仕事への興味と職務への適性を評価し、その個人の資源性を最大に活かすために、定量化したデータが必要であり、ProfileXT®がその役割を果たす可能性をもっていると述べられている。
「職務が変われば必要な能力も変わります。その能力の評価にあたって、上司や人事の感覚による評価も大事ですが、納得性が高く、記録にも残すことができる人材データが必要になります。プロファイルズ社が提供するソリューションとして、① ビジネスを取り巻く環境に対応して、迅速で柔軟性に富んだ『パフォーマンスモデル』をデザインできること、②IDを取得してネットからログインすれば、どこからでも人材情報を参照でき、一元的な人事のマネジメントシステムを構築できること、③最小限の時間、コスト、人的労力によって人材情報マネジメントができることがあげられます」と、藤塚氏の実際のコンサルタント経験から語られた。

サクセッサーを絞り込み、人材育成を図る

実際のサクセッションプランニングは、以下のようなステップによって進めていくという。
「まず、ターゲットとなる職務を明確にし、その職務の現職者の『パフォーマンスモデル』をつくり、後継者（サクセッサー）となる人材のコンピテンシーを評価します。それから現職と後継者について評価分析していきます。このとき、現職と後継者では時間軸が違うので、今後の変化を見込んで評価することが大切だと思います。その上で人材情報システムを構築して、人的資源の現状把握と将来予測に必要なデータを取得していきます。
クライアントには、PAC（ Profiles Assessment Cen-ter）のアカウントを取得してもらい、こうしたデータを社内で管理してもらうようにお願いしています。一度アカウントを取得すれば、採用から育成、適材配置まで、すべての人事マターに応用できますから」
こうしたステップを通じて、サクセッサーとなるべき人材を絞り込み、その人材資源に対して長期的な視点でキャリア・パスを検討、育成プランを作成していく。

「こうして作成した人材情報から、顕在能力もポテンシャルも最高度に優れた人材は決して失ってはならないし、逆にそのどちらにも問題がある場合には、適切な職務配置を検討するなどして、最大限に能力を活かす人事政策を進めることが必要です」
最後に、藤塚氏は「人事のそれまで培った経験などを、Pro-fileXTの客観的、定量的なデータで補完することが、サクセッションプランニングにとって、非常に重要であると感じています」と述べている。

2014年05月21日