グローバル戦略と組織・人材育成計画のマッチング ― 可視化と総合的アセスメントの重要性 ―
シンジェンタジャパン株式会社取締役会長
村田興文氏
シンジェンタジャパン株式会社取締役会長 村田興文氏
戦略転換期での組織変化にDiSC®とProfileXT®を活用
アグリビジネス(農業関連産業)のグローバルリーディングカンパニーであるシンジェンタ社日本法人会長の村田氏は、経営者であるとともに組織開発とグローバル人材開発・育成のエキスパートでもあり、今回は国際的企業の人材・組織開発(OD)にDiSC®とProfileXT®を活用したケースをレポートしていただいた。
「世界のアグリビジネス関連企業は、膨大な商品開発費を調達するためにも企業統合が進行するとともに、より一層のグローバル化が進むと考えられます。また、川上戦略から卸流通重視の川下戦略への転換が起き、マーケティング、営業部門の強化が図られています」
こうした「企業の戦略転換期における組織変化での課題」に対応するために村田氏は、DiSC®、ProfileXT®アセスメントの活用が一つのキーになると考えられている。
村田氏がDiSC®と出会ったのは1994年で、グローバルなスキル開発に適合したアセスメントだという認識を持たれた。村田氏は、シンジェンタジャパンにおいて、2009 ~2015年までの第2次人材価値育成計画の段階からDiSC®を本格的に組織に導入していった。
コンピテンシーを明確化、ハイパフォーマーを育成
「2015年を見据えた投資」では、人材育成の重要なアセスメントとしてDiSC®を活用、「トップダウンではない人材育成を図るためのコーチング導入、社員一人ひとりのキャリアプランの明確化、期待されるコンピテンシーモデルの創造などを手掛けました。
営業部門の人材育成ではベーシックセリングスキル開発でもDiSC®を活用、顧客のDiSC®スタイルに応じた営業戦略を準備し、顧客のキーマンのDiSC®スタイルをパソコンにインプットするなど、セールス戦略を練り上げていきました。
DiSC®は今後とも、シンジェンタ内部における営業、交渉、渉外に関する共通の人的対応ツール、顧客管理システムデータベース、内部コーチングとして活用を図っていきます」
また、村田氏は、総合的アセスメントProfileXT®を営業部門に導入、その結果ハイパフォーマーとローパフォーマーの特性差が明確になったという。
「当初想定していたコンピテンシーモデルと実際のハイパフォーマーの特性にズレがあり、それが明確になったことは大きな収穫でした。
ProfileXT®アセスメントを活用することによって、組織構築(人事配置)において職務特性を把握し、客観性を持った異動が可能になると期待しています。コンピテンシーモデルが明確になったことから、ハイパフォーマーの育成条件を適応して、より積極的な抜擢人事が可能かどうか、 ProfileXT®をさらに精査して検討していきたいと考えています」
2014年12月12日