【DiSC®事例】マイクロソフトのワークスタイルとDiSC®
日本マイクロソフト株式会社
人事本部ビジネスパートナーグループ
西川 昌邦氏
日本マイクロソフト(株) 人事本部シニアマネージャー
西川昌邦氏
1987年早稲田大学教育学部卒。日本DEC、コンパックコンピュータ等を経て2003年マイクロソフト株式会社(現日本マイクロソフト株式会社)入社。
労務政策部長等を経て現職。組織・人材開発、労務問題を中心に部門へのコンサルティングを行っている。DiSC®認定資格者、SLII®認定トレーナー、日本労務学会員、産業・組織心理学会員。
ワークスタイル変革を支えるアセスメントとしてDiSC®を導入
日本マイクロソフト㈱では、創立30周年を迎えて社内で「フレキシブルワークスタイルの推進」を経営目標に掲げているが、西川氏には同社のその変革推進とDiSC®の活用についてレポート していただいた。
「当社のフレキシブルワークスタイルの推進は、従業員の利益や働き方の変革というよりも、近い将来見込まれる労働力減少への対応と、当社とお客様のビジネス成長を主な目的としています。具体的には『いつでも、どこでも、誰とでも、必要な対話/情報を交わす』を目標に、離れていても隣りにいるように自然に対話できたり、多様性を大切にしながら、世界中どこにいても仕事ができるワークスタイルの確立を目指しています」
マ イクロソフトは、ビジネスとしてデジタル通信技術によるコミュニケーション革新を進めており、外出先、在宅勤務、サテライトオフィスなどから通信機能を使って実際にフリーワークスタイルを実現できるかを実験したという。
「一日だけ従業員を出社させない『テレワークの日』を実施しデータを収集しました。課題として上がってきたのが、電子メールやWeb会議などのコミュニケーションツールを活用した場合、目前にいない相手に自分の行動特性をどう伝えるか、関係性を向上させ、自分の効果性をどう高めるかでした。そして、実際にフレキシブルワークスタイルの変革を推進するためには、何か支えてくれるアセスメントが必要であると痛感し、非常に汎用性が高く、柔軟性に富んだDiSC®を導入することにしました」
「多様性のある働き方」「持続的な成長」を実現する
「新入社員の内定者研修、新入社員研修にDiSC®を導入しています。当社の内定者は国籍や学歴などさまざまであり、できるだけ早くお互いを知ることが必要です。また、新入社員研修は2年間行いますが、最初の2か月の集合研修の中にDiSC®を活用しています。内定研修も新入社員研修においても、DiSC®導入の最大の目的はチームビルディングです。配属が決まっていないなど環境設定が難しい面はありましたが、研修中のトレーニングの中で役割を決めてDiSC®を使うなどの工夫により、チームビルディングはもとより、自身、他者の行動特性の理解などに成果をあげることができました」
また、同社の法人営業を担当するテレ・セールスの営業力強化にもDiSC®を活用している。
「最初はFace to Faceでない電話によるセールスにDiSC®を導入して成果が上がるか心配でした。しかし、Face to Faceでないからこそ、テレ・セールスは電話を通じてお客様と密なコミュニケーションを図ろうとします。そうした中で、相手の特性をいかに理解するかという課題があったのですが、相手の行動特性への理解を深化させるDiSC®の導入は非常に効果的でした」と、西川氏は語っている。
いま、マイクロソフトの事業は「 Office」や「 Word」などのセールスから、企業経営のソリューション提供へと変化しており、その対応のためにも営業管理職のリーダーシップ、営業力強化が求められている。
「そこで、DiSC® とSLⅡ®を使ったコーチング研修を実施しました。当社の場合まだDiSC®が共通言語化されていないので、導入に当たっては、DiSC®とSLⅡ®をブリッジさせずに、DiSC®を先にSLⅡを後から導入することで混乱を避けています」
同社では、このほか、従業員の健康管理・増進のためのHealth Care Room Professionalスタッフの顧客サービススキル向上、全社員対象としてキックオフミーティングやオフサイトミーティング、さらには法人営業部門管理職向けトレーニングにもDiSC®を活用している。
このようなフレキシブルワークスタイルの推進をめざしたDiSC®導入のトレーニング成果について、西川氏は具体的な数字をあげてくれた。「たとえば、『ワークスタイル変革の成果』で見ると、ワークライフバランス満足度が+40%、従業員一人当たり売上高が+26%、女性退職率が-40%、ペーパーレスが-48%などとその成果が現れています。今後の展望としては、継続的な研修の実施、各種の人事施策との関連性の強化などがあげられます」
「多様性のある働き方」「持続的な成長」を実現するためのサポートとしてDiSC®がどのような役割を果たしていくか注目される。
2016年05月23日