【DiSC®事例】入社時研修、タレントマネジメント、セールス、採用プロセスでの活用
株式会社ビズリーチ
執行役員 兼 人財活用戦略室 室長
佐藤和男氏
株式会社ビズリーチ
執行役員 兼 人財活用戦略室 室長
佐藤和男氏
DiSC®を共通言語化し、会社の文化を創造する
㈱ビズリーチは、ハイクラス向け会員制転職サイトを事業展開する企業である。佐藤氏は同社の創業当時のメンバーであり、人材開発、組織開発の責任者として任務を遂行している。すでに2015年にDiSC®導入時の事例発表で登壇していただいており、2回目となる今回は「導入後にどうなったか、その後の組織の変化と効果」に関しての事例発表となった。この発表に先立って、事業責任者・人事責任者や各部署の社員へのインタビュー、入社時研修の様子を撮影し、その映像を参加者に共有しながら、質疑応答を交えての事例発表となった。
「DiSC®を導入した当時、弊社の社員は約350人でした。今は約1,300人に急増していますが、全社員を対象にDiSC®を導入しています。導入の目的は、ただ社員研修としてだけでなく“働きがいのある会社をつくる”こと、そして“ビズリーチの文化を創造する”ことでした。そのためには、全社員を対象に導入し、共通言語化する必要がありました」
同社においては現在、DiSC®は5日間の入社時研修に実施されるが、佐藤氏は入社してすぐの“入り口”で社員がDiSC®に出会うことが重要だという。「入社時研修では弊社がどんな人材を求めているのかを話した後に、DiSC®のセッションを4時間設けています」。入社時研修についてインタビュー映像に登場した人材育成担当者は「自分の価値観など内面に踏み込んだ研修なので、これを終えるとみんなが打ち解けるようになりました」と語っている。また、研修を受けた社員は「自分がどんな人間かが見えてくると同時に、他者が自分をどう見ているか、どんなコミュニケーションを図ったら信頼関係が築けるかを知ることができた」と、DiSC®の効果について述べている。
セールス、人材採用、組織運営での活用
同社では社員の入館証の入ったケースにDiSC®のリマインダーカードをセットにして入れており、研修終了後は人事、営業など各部署の現場で活用している。今回の事例報告では、営業部門のセールス活動でどう活かされているのかが社員へのインタビュー映像で紹介された。
「営業活動で1回の商談時にお客様と話せる時間は約30分なので、短時間で相手を知る必要があります。最初に会ったときにその人の感情や性格を大枠で理解できるDiSC®を活用することで、会ってすぐに信頼関係を築けるようになり、相手のスタイルに合わせて商談の設計を調整することができ、実際の営業成績もアップしました。また、社内で顧客情報をやりとりする際にも活用しています」
DiSC®は同社の採用場面においても活用されており、インタビュー映像に登場した採用責任者は「面談・面接を実施するとき、最初はどうしてもバリアがある。どんなコミュニケーションをとればリラックスしてもらえるのかを、候補者のDiSC®のスタイルを考えながら接すると心を開いてくれるようだ」と、現場での体験を語っている。佐藤氏も「採用時において面接官が候補者に応じて適切な関係を構築し、受容と共感の姿勢を持つことは非常に重要であり、DiSC®はその点でも使うことができるツールです」と評価された。
同社では、DiSC®は円滑な組織運営にも好影響を与えているという。人材育成担当者は「ビズリーチには1カ月に1度全社横断でランダムに組み合わせた社員同士が4、5人でランチをする制度がありますが、そこで会話のきっかけとなる話題がDiSC®のスタイルです。それから仕事の話が発展していきます」と語り、人事責任者は「DiSC®はその社員の良し悪しではなく、多様性を受け入れた上で社員同士の相互理解を推し進められるツール。人と人、人と組織の関係構築がスムーズになることで信頼関係が深まり、それが仕事のやりがいにつながっていきます」と、それぞれが組織への好影響について述べている。
このようにDiSC®はビズリーチの現場でさまざまに活用されているが、佐藤氏は今後の展望も含めて次のように語ってくれた。「人材関連サービスを事業とする会社にとって最も大切なものは“人”であり、それ以外に競合優位性を担保するものは何もありません。いかに人づくりをするか、いかに働き続けたいと思える会社にするか、それが10年後もトップを走れる企業の最大の条件になります。上司と部下の良好な関係を構築し、また、優秀な人材を確保するために、DiSC®の果たす役割は大きいと思っています」
2019年03月12日