エネルギーに”新しい風”、戦略人事にも“新しい風”
- カーボンニュートラル実現を目指すINPEX社が仕掛ける、大変革を生き抜く人材を生み出すキャリア開発 -
株式会社INPEX
総務本部人事ユニット人材マネジメントグループ HRBPチームリーダー
高西哲朗氏
株式会社INPEX
総務本部人事ユニット人材マネジメントグループ シニアHRBP
高橋明希氏
登壇者のご紹介
ゲストスピーカー
株式会社INPEX 総務本部人事ユニット人材マネジメントグループ HRBPチームリーダー
高西哲朗氏
Takanishi Tetsuro
15年以上にわたり掘削技術者として国内(新潟等)やオーストラリア、UAEで石油・天然ガスの探鉱開発プロジェクトに携わり、2021年より人事ユニットにて、人材開発、人材育成を担当。現在は社内HRBPとして、事業部と連携しながら、次世代リーダー人材育成プログラムの運営、キャリアワークショップのファシリテーターなど幅広く取り組んでいる。
ゲストスピーカー
株式会社INPEX 総務本部人事ユニット人材マネジメントグループ シニアHRBP
高橋明希氏
Takahashi Aki
2016年に株式会社INPEXに入社。南米・アフリカプロジェクトのコマーシャル担当として、探鉱・開発・生産・撤退フェーズなど幅広いプロジェクトの管理・推進を経験する。2019年より人事ユニットに異動し、労務管理業務を経て、2022年より社内HRBPおよび人材開発担当者として、各事業部門と人事ユニットを繋ぐ戦略的人材マネジメントに取り組んでいる。
モデレーター
HRDグループ・プロファイルズ株式会社 ディレクター パフォーマンスコンサルタント
水谷 壽芳
Mizutani Hisayoshi
HRテクノロジー活用による経営強化のコンサルティングを提供。製造業・IT業界・金融企業を中心とした、組織・人事コンサルティングに関する約10年の経験を有している。日本国内における新たな人材アセスメント・ツールの普及を志向して、70社を超える戦略的ビジネスパートナーとの新規事業の立ち上げに立ち会う。ビジネスパートナーの事業支援・コンサルティングスキル指導に定評があり、アセスメントツール認定セミナーの講師として、延べ600名以上の認定資格者を養成してきた。現職を通じて、日本の産業界全体の発展に貢献したいと考えている。
温室効果ガスの排出をゼロにする「カーボンニュートラル」を実現するために、世界各国の取り組みが注目されています。日本国内においても、さまざまな企業が取り組んでいますが、エネルギー開発大手の株式会社INPEX(旧社名: 国際石油開発帝石株式会社)では、温室効果ガス排出ゼロを目指し「今後の事業展開~2050 ネットゼロカーボン社会に向けて」を策定したことを機に、社名も変更し、新しい分野へ挑戦を始めています。
当セッションでは、同社の総務本部人事ユニット人材マネジメントグループ HRBPチームリーダー 高西哲朗氏と、シニアHRBP 高橋明希氏をお招きし「組織の戦略人事の新しい風」をテーマにお話しいただきました。新しい組織人事の考え方や、人材データを活かしたキャリア開発など、さまざまな事例を紹介しています。
INPEXでは、脱炭素化実現とエネルギー安定供給という2つの社会課題の解決に向け、長期戦略と中期経営計画として「INPEX Vision@2022」を策定。従来の石油・天然ガス生産活動における徹底したクリーン化に加え、水素や再生可能エネルギー電力などのクリーンエネルギーの安定供給に挑戦すると宣言しているほか、組織人事においても「最高に働き甲斐のある会社」を目指して取り組んでいます。
https://www.inpex.co.jp/company/pdf/inpex_vision_2022.pdf
2022年4月に幹部社員向けの職務型の新人事制度を導入し、ありたい組織文化の醸成と人材育成の部分も変えていく取り組みが進められています。自律的なキャリア形成として、まず50代の社員向けに自分のキャリアを振り返る研修がスタートし、それに続いて30歳・40歳向けのキャリア研修も新たに開始しています。
以前は研修を外部業者へ委託して実施していましたが、「INPEXらしいキャリア開発」が社内でも議論されるようになり、現在は内製化したうえで研修を進めています。内製化を選択したのは、外部の講師より、同じ会社に身を置き今起きている会社の変革を共に進めている社員がファシリテーターを務めたほうが受講者に良い影響を与え、腹落ち感が得られるはずと考えてのこと。
INPEXで内製化しているキャリアワークショップの1つが「キャリア30プログラム」です。1日のプログラムで、過去を振り返ったあとに現在を見つめ直し、未来を描いていくという流れで進めています。
プログラムの参加者には事前に、人材アセスメント「ProfileXT®」を受けてもらい、ワークショップで行動特性の解説やグループでの対話の時間を設定。自分の強みや弱み、キャリアの価値観など、より内省を深められるプログラムを設計しています。
30歳でプログラムを設けている理由は、30歳という年次がちょうど責任のある仕事を任される時期になること、そして結婚や子育てなど私生活での変化の起きる社員が多くいるためとのことです。参加者からは、ワークショップで自身のキャリアを見つめ直せると同時に、余った時間で私生活について他の社員の話が聞けるところが良かった、という多くのポジティブな反応を貰っているそうです。
またセッションでは、INPEX社のHRBPの特徴や、人事のデータ活用についてもお話しいただきました。
INPEXのHRBPは、事業部門のビジネスパートナーとしてサポートしながら事業を共に進めていくという前提に立つため、技術系の現場出身者や海外赴任経験者など、人事未経験ではあるものの、事業のことを十分理解している人材がアサインされているところが特徴です。「まだまだ改善できるところはありますが、HRBPがなかった頃に比べると、事業部と人事とのコミュニケーションは一層円滑になっている」とのことでした。
人事データ活用は、今後ますます必要性が高まっていきます。人材の定量的なデータは取得しにくいため、人材アセスメントを活用してデータを蓄積することが重要です。定量的なデータは、適所適材の人材配置に、定性的なデータは戦略的人材マネジメントに活用することで、人事の体制を強化できるとお話しいただきました。
具体的なキャリア開発の事例についてお話いただいた当セッションの詳細は、下記の動画からご覧いただけます。エネルギー業界の方はもちろん、社内人材のキャリア開発を推進していきたい方にも役立つ内容なので、ぜひ、下記の動画をご視聴ください。
動画申し込みURL:https://survey.zohopublic.com/zs/j2Bqgd
2023年01月26日