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DiSC®活用でスタッフの成長を引き出す
マネジメントから接客まで人材育成の成功例

【DiSC®事例】「DiSC®活用でスタッフの成長を引き出す〜マネジメントから接客まで人材育成の成功例とは」/MXモバイリング株式会社 様

 店長 藤野 裕人 氏
 スタッフ 矢野 彩奈 氏 佐野 晴香 氏
 シニア専任エキスパート 白石 知子 氏

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全国で携帯ショップを運営しているMXモバイリング様。お客さま対応だけではなく、社員マネジメントにおいてもDiSC®を活用し、長年にわたり積極的にご利用いただいています。今回は、「DiSC®導入の決め手と社員教育への取り入れ方」、「スタッフマネジメントでの使い方」、そして「社内や接客での活用法」について、それぞれのご担当者さまにお話を伺いました。

白石 知子 氏
MXモバイリング株式会社
人事・企画部 教育グループ シニア専任エキスパート

2008年から販売事業部サポートセンター立上げに携わり、MXモバイリングが全国展開しているキャリアショップの業務管理、運営指導に回る。
2011年よりマネージャーとして採用と連動した新人研修、育成トレーナーの体系構築及び本格運用をスタートさせた後、店長・副店長の教育体系構築を経て2015年に全社教育体系構築に着手し2016年採用・教育部部長に就任。
2024年9月に役職定年を迎えシニア専任エキスパートとして全社教育を統括。

「DiSC®を活かしたマネジメントで、スタッフのポテンシャルを引き出す」

--現在、4チーム17名という構成の店舗で、スタッフの育成と予算達成のためのプロセスを管理する店長を務めておられる藤野さん。店舗の運営で特に力を入れている課題はどのようなものでしょうか?

藤野:まずは働いているスタッフがやりがいを持ち、長く仕事を続けられる環境づくりが必要です。そのために、残業削減や生産性向上を図るマネジメントに取り組んでいます。

--MXモバイリング様では長らくDiSC®をご利用いただいておりますが、藤野さんはこの研修を受けられて、どのような感想をお持ちでしょうか。

藤野:私がDiSC®の研修を受けたのは、入社して4年目だったと記憶しております。まずは自分のスタイルについて把握することが重要です。私は、iスタイルが強く、計画性がなくてノリで仕事をしてしまい、実績が乱高下していた時期もありました。そこで、「真逆のCスタイルだったら、どういった考えをするだろう」と思い至りました。Cスタイルの方のように、順序立てて物事を進めていくことが重要だと感じて取り入れ、業務がうまく回っていく経験をいたしました。こうしたこともあって日常の業務でも、DiSC®に合わせたコミュニケーションを非常に意識しています。

--DiSC®を用いたミーティングや1on1で、スタッフさんの雰囲気や、お仕事の進め方に変化がありましたか。

藤野:スタッフが何を求めているのか、より的確に把握できるようになりました。スタッフがなんでも相談をしてくれる風通しの良い環境は作れているかな、と感じております。

例えばDiスタイルのスタッフには、個人実績を重視する目標を設定したり、社内コンテストの盛り上げ役を任せたことで、スピード感をもって実績を作ることができました。さらに優良事例を作ったことで、他のスタッフと共有することができました。

また、仕事を進める上で、これまでのように定性的な部分だけではなく、定量的な要素を交えた話し方を取り入れることで、より深いコミュニケーションができると知りました。例えば、新人で、なかなか自分を尊重できないスタッフがいたのですが、そのスタッフに対して定量面を交えて話をしたことで自信をつけてくれ、後にリーダーにまでなりました。その後、異動先でも一流のリーダーとして店舗を牽引する存在に成長したことには、大きく感動いたしました。

スタッフを型にはめすぎてしまい反省したことも

--反対に、DiSC®のデメリットを感じられたことはありましたか?

藤野:私はスタッフのスタイルをすべて把握しているのですがDiSC®だけで、スタッフの“限界”を決めつけてしまっていた部分がありました。

というのも特にここ数年、若い世代は個人的な目標を、自発的に言葉にしない傾向があります。私の店舗にはSCスタイルのスタッフが多いので、彼らには堅実な業務を任せていました。それがある時、実は「求められればもっと上を目指していきたい」「もっとスキルを向上させたい」と言われ、「もしかしたらこの数カ月間、決めつけでそのスタッフの成長を止めてしまっていたかもしれない」と反省しました。

--スタッフさんから「藤野さん、それ全然違いますよ」というふうに怒られたりすることがあるのですね。

藤野:そういう指摘を受けた時はやはり、自分のiスタイルが強く出てしまっていることが多いですね。「喋りすぎたな」と感じたときは「また自分の悪いところが出た」とやり直すようにしています。これも、部下から指摘してもらえる関係が作れている効果だと思います。

--チームの中に、自分とは異なるスタイルの方がいるとわかったときに、工夫した点や、関わり方で改善された点はありますか?

藤野:まず自分の考えを一旦捨てて、意見をしっかり聞いて、相手の考え方を尊重するようにしています。自分に似たスタイルは理解しやすいのですが、対面にあるCスタイルやSスタイルのスタッフについては、なかなか自分にはない発想を持っていて、気づきの言葉があったりするので、それらを逃さずキャッチアップするようにしています。

藤野 裕人 氏 「個々の得意分野を伸ばして、組織力を高めていきたい」
         藤野氏のEverything DiSC®マップ:iスタイル

--DiSC®を使ったことで、お客様への対応には変化を感じられますか。

藤野:「このお客様であれば結論から話した方がいい」とか、「順序を追って説明した方が信頼関係を築きやすい」といった風にDiSC®を活かしています。

--DiSC®をしっかり活用されている藤野さんですが、今後、さらにどういう風にご活用されていきたいでしょうか?

藤野:私だけではなく、店舗のリーダーやチーフクラスにも、DiSC®を使ったマネジメント力をつけていきたいですね。また、新しく入社するスタッフにもDiSC®を活かしてサポートしていきたいです。自分自身の強みと弱みを理解することで、円滑なコミュニケーションができますから。

--最後にDiSC®の活用事例や成功体験で、他の店舗にも共有したいことはありますか。

藤野:マネジメントの仕方はたくさんあるとは思いますが、個々の得意分野を伸ばしてスタッフをより成長させて、会社全体がより組織力をアップしていくためには、DiSC®を活用していくといいのかなと思っています。


「DiSC®研修はすごく楽しくて、お客さま対応や社内の人間関係の向上にも繋がる!!」

--おふたりとも社歴3年目で、新入社員向けのDiSC®の研修も一緒に受けられたという佐野さんと矢野さん。普段は店舗で、スマートフォンの販売やプランの見直し、故障の対応などカウンター業務全般を担当されています。お客さま対応のお仕事で、やりがいを感じるのはどんなときですか?

矢野:商品やサービスをご成約いただいたときはもちろん嬉しいですが、それだけではなくて、お客さまとのやり取りの中で、パーソナルな部分で繋がれたとき、やりがいを感じます。

先日も「こんなに何時間も、私のようなおばあちゃんの相手をしてくれてありがとう」と言ってくださって、飴をいただいたことがありました。そんなときは、DiSC®をしっかり活用できていることを実感しました。

佐野:私はCスタイルなので、丁寧に細かくお話してしまうところがあるのですが、それが強みとなってお客さまに満足していただけたケースがありました。弊社では月に1度、お客さまからコメントをいただける機会がありまして、そこで「親切に、丁寧に対応してくれて嬉しかった」「今度来たときは佐野さんを指名したい」と言っていただいたのはうれしかったです。

--若手のおふたりですが、すでに日常業務でのDiSC®の活用を意識されているんですね。おふたりはDiSC®の研修に参加されて、いかがでしたか?

佐野:それまで、人をいくつかのスタイルに分類してコミュニケーションを図る機会がなかったので、面白かったです。

矢野:そうですね、例えば何か質問をした時に、詳細に話したいスタイルの方と、結論を先に欲しいスタイルの方とでは全く異なると知りました。

--おふたりは一緒のタイミングで研修を受けたとのことですが、研修を受けたことで人との対応は変わりましたか?

佐野:相手のスタイルに合わせて対応を変えることを意識するようになりました。

矢野:研修に参加する前は、人に対して最初、先入観で見てしまって、時には苦手意識を持つこともありましたが、DiSC®のスタイルが違っても理解できるようになりました。

--それは店舗内の日々の業務の中で、DiSC®があったからこそ相手との理解が深まったという経験があるということでしょうか?

矢野:店舗の責任者とお話をする際に、責任者が「なんでこうなったのか」を詳細に教えてほしい方と、「できるのかできないのか」先に結論が欲しい方とさまざまです。研修後は相手によって、お話の仕方を変えることができるようになりました。

         佐野氏のEverything DiSC®マップ:Cスタイル
         矢野氏のEverything DiSC®マップ:iスタイル

自分とは違うスタイルでも上手にコミュニケーションが取れるように…!

--おふたりとも、上手にDiSC®を活用されているようですが、逆に難しいと感じる点はありますか?

矢野:社内スタッフは毎日会うので活用しやすいですが、お客さまに対してはまだ、スタイルの見分け方が難しいですね。

佐野:そうですね。私もお客さま対応はまだ慣れない部分もありますが、研修で学んだことを取り入れています。日々、ブラッシュアップしていきながら、というところです。会う

--実際のお客様対応の中で「DiSC®が役立った」と感じた場面はどんなときでしたか?

佐野:険しい表情で入店されたお客さまでも、先入観で判断せず話を進めると、フレンドリーに話してくださることもあります。短い対応の中で相手の特性を探るのが面白いです。

矢野:私と逆のスタイルかな、と思うと身構えてしまいますが、プライベートなお話を重ねていくことで、最後にうまくいくとうれしいですよね。

--では、今後の業務やチームワークで、DiSC®をよりどういう風に活かしていきたいでしょうか。

佐野:店舗のリーダーのスタイルを把握して、スタイルが違う私が「どこを補えるのか」「リーダーが求めているものは何か」を考えながら、業務に取り組んでいきたいです。

矢野:私とは違う、DスタイルやCスタイルの先輩たちの特性を考慮しながら、学びを得たり、iスタイルの私だからこそできる強みを理解して、業務に活かしていきたいです。

--DiSC®を活用することで、ご自身や店舗にどんな変化を期待しますか?

佐野:店舗メンバー全員のDiSC®を把握していると、お客さまのスタイルに合わやすいスタッフに対応させたり、応対指導も的確になるためお客さまの満足度もあがるかと思います。

--では今後、後輩や新人へ指導される時に、DiSC®のスタイルをどう活用されますか?

笑顔の絶えないお二人  向かって左)佐野 晴香 氏、右)矢野 彩奈 氏

矢野:半年前に新任メンターの教育をやらせていただいたのですが、メンターのサポートをするときにはまず、メンティのスタイルを把握します。そのうえで、メンターにどのように指導したらよいかアドバイスをします。ダイレクトに後輩へ指導する際は自分のスタイルだけでは大雑把になりやすいので、真逆のCスタイルの要素を意識して繊細に理由を伝えるように取り組んでいます。

--おふたりともやっぱり向上心がすごいですね。では最後に他の店舗にも共有したいこと、成功事例の共有などはありますか。

佐野:私の店舗には、DiSC®のアセスメント結果がパネルにしてあって休憩室に貼られています。それをみて、スタッフのスタイルを覚えてその後、交流を深められました。そういったパネルがあるところとないところがあるようなので、全体であったらいいのではないでしょうか。

矢野:研修はすごく楽しかったので、みなさんに体験して欲しいです。それが絶対、お客さま対応や社内の人間関係の向上にも繋がると思います。


「DiSC®導入でマネジメントを改善し、短期退職率が20パーセントも下がった!」

--人事・企画部の教育グループで責任者を務めていらっしゃる白石さん。全国300店舗以上、従業員数4200人以上の、店舗運営がメイン業務の大企業で、全社研修などを担っておられます。MXモバイリング社へのDiSC®初期導入も、白石さんが主導なさっていました。 DiSC®を導入されたのはいつ頃のことだったのでしょうか?

白石:およそ13年ほど前です。当時、若手社員がすぐ辞めてしまうという大きな課題がありました。解決策について「店舗マネジャーのマネジメント方法の改善が鍵」と考えて、導入を決めました。

--最初から全社的に導入されたのですか?

白石:まずは、弊社社員の約85パーセントを担う、一番大きい店舗展開の部門を対象に導入しました。当時、入社半年以内で30%、1年以内ではさらに高い退職率に悩まされていて「なんとしてでも抑止したい」という課題がスタートでした。
結果的に課題としていた短期退職率は3年で30パーセントから10パーセント台まで下がり、会社の大きな利益に繋がったと思います。

--例えば、他のツールなどもご検討されたのでしょうか?

白石:同時にEQ検査も検討したのですが、DiSC®のほうが分かりやすく、浸透しやすいと判断しました。

DiSC®のすごいところは、「ピープルリーディング」ができることです。アセスメントを受けていないお客さまや、他部署の同僚で相手のスタイルがわからなくてもおおよその当たりがつけられるようになるので、販売を生業としている会社としてはしっかりマッチしました。

--社員の皆様にお話をうかがって、たしかに、DiSC®が共通言語として浸透していることがよく分かりました。社員への教育や研修プログラムはどう行われているのでしょうか?

白石:現在は大きく3つの段階で研修を入れています。

アセスメントのタイミングとしては、新卒社員は配属前にアセスメントを実施し、配属先に事前に周知してメンター選定などを含む受入れ準備をしてもらいます。また、中途採用者も社員化のタイミングで実施します。研修は、まず①新卒社員は2年目に、中途採用者は社員化1年目で、社内・お客様との関係構築と対人ストレス軽減を目的とした研修を行います。続いて②新任メンターに対し新人育成をメインテーマとした研修を行い、その次が③副店長または主任に昇格したタイミングで、部下育成とマネジメントの研修として行っています。現在では、およそ5割のスタッフが「共通言語」として、マネジメントやコミュニケーションの円滑化に活用しています。

--社内で「共通言語」となったわけですね。

社員のどの階層においてもDiSC®を使っている状態ですので、社員のDiSC®スタイルを見える化できています。例えば、店長クラスが異動した先で、部下とのかかわり方を準備できるように、スタッフとの「比較レポート」(※注)を出すことができるようにしています。

※注「比較レポート」:DiSC®アセスメントの各人の回答データを活用して、1対1のコミュニケーションについて9つの尺度で示唆を提供するレポート

DiSC®を共通言語にすることで「日本で一番、人を見る会社」へ!!

--導入に際して苦労された点などはありましたか?

白石:例えばCスタイルの方は、そのロジックをどうマネジメントやチームビルディングに活かすかと、導入に意欲的でした。逆にDスタイルの方は、自己反省をしにくい傾向にあり、また、占いのように受け取られてしまうこともあり、浸透させるのに苦労しました。実践的な事例や自己理解を促すロールプレイング中心の研修設計を実施して自覚をしてもらうなどの工夫をしました。

当初は特に、店長などマネジメントの上位クラスで否定的な反応もありましたが、「相手のスタイルを把握することで、それに合わせた指導ができるようになった」など、信頼関係が築けるようになったと評価されています。

実は、導入当初に役員から始めていれば、共通言語化がもっと早まったと感じています。というのも、店舗のスタッフに浸透していても、その上の階層が知らないことで、ブレーキになってしまうケースも有ったためです。導入当初から役員クラスも受けてもらっていたら、もっと早く共通言語化が進んでいたはずです。もちろん、最初から興味を持ってくれている役員クラスの方もいて「結果が知りたい」というコメントももらっていました。また、実際に受けてもらった後には「非常に面白い」と、より話が通りやすくなりました。

【人のために】がブレない、そういう企業文化を作っていけたら-」と語る 白石 知子 氏
         白石氏のEverything DiSC®マップ:iDスタイル

--社内での DiSC®活用を進める中で、課題を感じている部分はありますか。

白石:今、さまざまなタレントマネジメント手法が隆盛する中で、やはりそれらと DiSC®を一緒くたに認知されないよう、伝えていかなくてはいけないと思っています。また使い方に関して、誰かが傷つくような、ネガティブなことに使わないようなルールを浸透させていくことも重要です。

--DiSC®を活用することで今後、期待される変化とはなんでしょうか?

白石:一番の変化は、社員が「人をよく見るようになる」こと。できれば「日本で一番、人を見る会社」にしていきたいです。もちろん、企業として数字の面は大事なことですが、それを追いかけるだけではなくて、 DiSC®活用することで主軸は【人のために】がブレない、そういう企業文化を作っていけたらと思います。 DiSC®は動機・欲求にすごく重きを置いています。「何のために働いてるのか」「何のために目標を追いかけるのか」… DiSC®のスタイル別の動機・欲求をうまくキャッチアップしてマネジメントすることで、人が成長することを実感してきました。これが成功したことで、DiSC®が弊社の共通言語になっていったのではないかと思っております。


まとめ

教育部門の責任者、店長、現場スタッフと、それぞれ異なる立場でお話を伺いましたが、社内でこれほどまでに「共通言語」としてDiSC®が浸透していることに驚きました。それぞれの立場でDiSC®を意識しながら業務を遂行され、ご満足いただいている様子が伝わってきます。

皆さんの研修や業務を通じた気づきが、より良いコミュニケーションを生み出し、組織づくりに大いに役立っていることが分かるインタビューでした。

2025年01月06日

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