【DiSC®事例】イノベーティブな組織への変革に向けたEverything DiSC®の全社共通言語化の取り組み
エーザイ株式会社 タレントデベロップメント部 シニアディレクター
内藤輝夫氏
エーザイ株式会社
タレントデベロップメント部 シニアディレクター
内藤輝夫氏
マネジャーの多様な能力の向上を目的に
エーザイ㈱では2016年に10年間の中期経営計画を立案、人事制度を刷新、研修体系を再構築した。内藤氏は人財開発本部において管理職向けの施策、若手ハイパフォーマー向けプログラムの企画実施を担当している。
「弊社は90年代からグローバルに通用する医薬品の開発や販売を進めたことで、人財も欧米、中国、アジア、ラテン諸国など多様性に富んでいます。これらの多様な人財の在籍は、グローバルでプロジェクトを推進する際、それぞれの国・地域の教育、文化、制度を十分に理解していないことによる弊害を生みました。これを打開するには、マネジャーの多様な能力をアップグレードしなければなりませんでした」
また、同社は中期経営計画にあるイノベーティブな組織づくりに向けて、従来の年功序列型から成功報酬型に人事政策を大きく転換したことによって、マネジャーと組織メンバーによる目標設定が重要になったという。
「ここで顕在化してきた弊社の課題は、マネジャーと組織メンバーとの信頼関係の醸成、親密なコミュニケーションの構築です。たとえば、ミレニアル世代とベビーブーマー世代ではコミュニケーションの取り方に違いなどがあり、コミュニケーションのあり方を根本的に変えていかなければならないと考えました。こうしたヒューマンニーズへのアプローチに有効なアセスメントはないか検討したところ、Everything DiSC®ワークプレイスが最適ではないかと判断したんです」
比較レポートの活用がコミュニケーションの活性化を実現
そこでまず組織長(経営陣を含めたマネジャー層)に導入したが、実際に使ってみると、いくつか出力可能なレポートの中でも組織メンバーの共通点や差異を独自の尺度で表現する「比較レポート」が非常に使い勝手がよいとわかった。
「比較レポートは、マネジャーが部下のDiSC®スタイルに応じてどのように関わったらよいかを示すことができ、また、分析された部下同士の比較情報をマネジャーのニーズに合わせて提供することもできます。マネジャーにとっては部下のマネジメントに役立つ画期的なツールだと思いました」
さらに新しい組織の立ち上げにも比較レポートが強力なサポートになると内藤氏は述べている。
「新設組織のメンバー同士ではお互いが十分に理解できていません。比較レポートは組織メンバー同士の距離を縮める効果があり、チームビルディングに欠かせないツールとなっています。新設組織の立ち上げはビジネスの発展に重要な条件であり、企業の伸長に果たす比較レポートの役割は大きなものです」
組織長への導入を皮切りに、担当課長クラス、総合職の新入社員へと導入対象を広げており、19年度からは階層別研修、事業部門ごとの特定組織の研修にも導入している。
「幸いにして、マネジャーやアセスメントを受けたメンバーからの評判も良く、グループによるEverything DiSC®の研修は、相手との対話を工夫することで自己成長だけでなく周囲のメンバーの成長にもつながる、あるいは上司との比較レポートを業務上のコミュニケーションにも役立てたいなどの声が寄せられています」
こうした成果をベースにし、同社では、中期経営計画で掲げる、多様な人財が活躍できるイノベーティブな組織づくりを推進すべく、社内におけるEverything DiSC®の共通言語化を進めていこうとしている。
講演会参加者の声
- 具体的、実践的な事例であり、組織の現状について本音で話していただいたことで大変参考になった。
- Everything DiSC®を活用している実際の企業の運用者の発言を聞けた。こうした機会は少ないので貴重な体験をさせてもらった。
- 共通言語化、組織変革のツールとして活用するためには、強力な推進力が必要であると痛感した。
2019年12月07日