人材アセスメントを活用した組織開発コンサルティング、
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①HRの未来とWiley社のブランド戦略②開発責任者が語る、信頼されるアセスメントの条件

Wiley社グローバルチャネルディレクター(海外パートナー統括責任者) イエンツ・ダムショルト氏
Wiley社プロダクトイノベーションシニアディレクター マーク・スカラード博士

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アジャイル・ワークプレイスに求められる対人スキル

Wiley社グローバルチャネルディレクター(海外パートナー統括責任者) イエンツ・ダムショルト氏

 ダムショルト氏は、かつて非英語圏であるデンマークの人材教育研修会社において、パートナーとしてDiSCの普及に携わっており、Wiley社に入社後は海外パートナー統括責任者として活躍されている。Wiley社は米国で最も歴史のある出版社だが、現在売り上げの約60%をデジタル分野が占めるにいたっており、“出版事業の再定義”に取り組んでいる。

「今もなお価値のある情報・コンテンツが出版事業の中核ではありますが、高品質なコンテンツをテクノロジーによってデリバリーすることが重要になってきています」

 こうした急激な市場環境の変化に対する企業の最大の課題は、組織文化の変革であるとダムショルト氏は語っている。

 「5カ年計画やKPI(数値計画と目標管理)を重視した経営思想・企業文化ではなく、従来とは価値観の違うVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)に機敏な対応ができるアジャイル思想が重要視され、こうした思想に基づいた組織文化の変革と、アジャイル・ワークプレイスが求められています。そのためには、対人スキルの変革・強化こそが組織変革のキーであり、人材育成においても、現在の学習者のモバイルをベースとした学習スタイルに合わせて、集合研修以外でも自分の体験を拡充する学習機会が重要になってきます」

組織文化の変革”こそWiley社の戦略である

HR市場のこうした要求に対して、ソリューションを与えられるのは、過去10年にわたって世界で1,150万人が使っていて拡大基調にあるEverything DiSC®やProfileXT®などWiley社のアセスメントである。

「世界中のHR市場で使われているということは、それだけの顧客満足を得ているということです。Wiley社の成功とは、パートナーが中心となり企業の意思決定者に対して支援ができ、なおかつ学習者に気づきが生まれたと認識してもらうことです。Wiley社のアセスメントは、顧客ロイヤルティ、継続利用意向の指標となるNPS(ネット・プロモーター・スコア)においても、各部門で高い評価を得ています。Wiley社は、認定資格者に対して私たちのサービスの価値を最大化して提供していますが、教育学習機会と人材育成のソリューションを提供することによって、対人スキルを強化し、組織文化の変革につなげていこうとしています。Wiley社の戦略とは、あのP・ドラッカーの言葉を借りるなら“企業文化は戦略などひと飲みにしてしまう”、つまり文化こそ我々の戦略であると言って差し支えありません」と、締めくくった。

アセスメントの品質を左右する信頼性と妥当性

Wiley社プロダクトイノベーションシニアディレクター マーク・スカラード博士

スカラード博士はWiley社におけるDiSC®とProfileXT®の開発責任者であり、バリデーション(妥当性・信頼性検証)の第一人者である。HRDグループでは、Wiley社の開発するアセスメントが、なぜ信頼性と妥当性に優れ、HRのプロフェッショナル市場から高い評価を得ているかを日本のパートナーに共有してもらいたいと考え、ビデオ出演の形で登場していただくことにした。

「アセスメントの基準は学術研究により何十年もかけて確立されたもので、その基準が“信頼性”と“妥当性”です。それを保証するものは科学的な裏付けのあるバリデーション数値の高さであり、そのために時間と資金を惜しげなく投資しています。Wiley社の強みは、自社のアセスメント回答者から約2,000人分のデータを2日間で集められること、そして約1,000人に対して新旧アセスメントの相関関係のデータ収集に協力してもらうことができることです。データを入手した後、科学的かつクリエイティブな方法で分析・検証され、高品質なアセスメントが提供されるのです」

 こうして市場に提供されたアセスメントは、測定値の安定した体重計のように、例えば“D”スタイルの人は、いつ測ってもほとんどの人が“D”であるように常に安定しており、パートナーが信頼して人材育成ツールとして活用できることにつながっている。

市場ニーズを取り込んだイノベーティブな開発プロセス

 Wiley社の製品開発には、市場ニーズを製品に取り込むイノベーティブなプロセスがある。それがパートナーやHRのプロフェッショナルに、製品のリリース前にアセスメントのテスト版を体験してもらう「ベータテスト」である。開発前の段階から一緒に関わっていただくことによって、市場ニーズが製品に反映され、より生産性の高いアセスメント開発に結びついていくのだ。

 「Wiley社では、コンサルタント、ファシリテーターにアイデアを提示し、顧客からのフィードバックを求め、試作品を製作し、それから実際の研修現場で2,000人規模のベータテストを実施します。さらにファシリテーターや研修参加者にインタビューを重ねるなど3、4回のベータテストを行って最終的に完成品として市場に提供します。たとえ、そのために開発に1年くらい余計にかかったとしても、市場のニーズを製品に盛り込む義務があると考えています」

 Wiley社ではまた、多言語版を開発するに当たっては、設問の“社会的な好ましさ”や“その国の文化に合っているか”などを検証し、最適なアセスメントとして開発している。信頼性と妥当性を追求し、市場ニーズを取り込み、さらに最適な多言語版の開発に挑むWiley社のポテンシャルをスカラード博士から伺うことができた。

2024年05月09日

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