チーム形成とは?
「チーム形成」とは、個々のメンバーが共通の目標に向かって協力し、効果的に機能する集団を作り上げるプロセスです。このプロセスは、従来「形成(Forming)」「嵐(Storming)」「規範(Norming)」「実行(Performing)」の4段階で説明されることが多いですが、最新の研究ではチーム形成のプロセスがもっと柔軟で動的であることが認識されています。
チーム形成の4段階(Tuckmanのモデル)
- 形成(Forming):チームが初めて集まり、メンバーが互いに知り合い、目標を理解し始める段階です。この段階では、メンバー同士の関係が確立される前の不確実性が高い状態です。
- 嵐(Storming):意見の衝突や役割の競争が起こり、チーム内で緊張が高まる段階です。メンバーが自分の意見や役割を主張し、摩擦が生じやすい時期です。
- 規範(Norming):チーム内で協力的な関係が生まれ、規範や役割が確立される段階です。メンバーは共通の目標に向かって調整を行い、チームの一体感が増します。
- 実行(Performing):チームが最高のパフォーマンスを発揮し、目標に向かって効果的に作業を進める段階です。この段階では、チームが高い協力と効率を発揮します。
最新の視点
従来のTuckmanのモデルは、確かにチームが発展する過程を理解するための有用な枠組みですが、最近の研究では、チーム形成のプロセスは必ずしも線形ではないことが指摘されています。チームが一度「実行」段階に達しても、外部要因やメンバー間の変化によって「嵐」段階に戻ることがあるため、これらの段階は循環的であると考えられています(Duhigg, 2016; Hackman, 2011)。また、チームの多様性がチーム形成において重要な要素であることも明確になっています。多様性を活用することで、チームの創造性が高まり、問題解決能力や革新性が向上するため、組織における成果にも直結します(Page, 2007; Stahl et al., 2010)。
組織における効果的なチーム形成
組織がチームを成功させるためには、適切なリーダーシップと管理が求められます。リーダーは、チームメンバーの個々の強みを理解し、協力的な環境を作り出すことが必要です。また、チームのメンバーが多様な背景を持つ場合、その違いを尊重し活用することで、チームの成果を最大化することができます。
論拠
- Tuckman, B. W. (1965). Developmental sequence in small groups. Psychological Bulletin, 63(6), 384-399.
- Duhigg, C. (2016). Smarter Faster Better: The Secrets of Being Productive in Life and Business. Random House.
- Hackman, J. R. (2011). Leading Teams: Setting the Stage for Great Performances. Harvard Business Press.
- Page, S. E. (2007). The Difference: How the Power of Diversity Creates Better Groups, Firms, Schools, and Societies. Princeton University Press.
- Stahl, G. K., et al. (2010). The role of team diversity in enhancing team performance. Academy of Management Perspectives, 24(4), 4-18.